「獄中日記」の有料配信、被害弁済を目的とした会社設立、映画化…。男性3人から計約1億5000万円を騙し取った罪で9月に懲役8年半の実刑判決を受けた“頂き女子りりちゃん”こと渡辺真衣被告(26、上告中)への支援活動が話題だ。獄中日記をアップするため3月に開設されたXアカウントのフォロワー数は29万人以上にも達している。約3800万円を騙し取られた被害者のAさん(50代)はこの動きをどう見ているのか。自宅を訪ねて話を聞いた。(前後編の前編)
家に入った瞬間、目に飛び込んできた無数のゴミ
東京から高速道路を約1時間。田園地帯の一角にAさんの自宅はあった。荒れ果てた庭を通り玄関に一歩足を踏み入れた途端、ゾッとする光景が飛び込んできた。
土間から廊下まであちこちにビニール袋やティッシュ、空き缶などのゴミ屑が散乱している。「自宅での取材は難しい」と当初Aさんが難色を示していた理由が一目で理解できた瞬間だった。
Aさん自身も髪はボサボサ。糸屑のついた部屋着を纏っている。50代前半というが年齢以上に老けて見えた。
「精神状態がずっと不安定で暴飲暴食が止まらないんです。なんとか生きながらえているのが現状で…」
玄関に椅子を2つ並べて取材は始まった。この自宅に渡辺被告は3回くらいやってきたことがあるという。
「もちろんその時は綺麗に片付いていました。自宅に上がったと言っても何があったわけでもありません。いずれも小一時間、お茶を飲んで帰っただけ。彼女はなんとか私からお金を引き出そうと嘘八百を並べて、必死にいろんな演技をしていました」
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